新NISA苦戦、人気10投信年初来17%下落
新NISA苦戦 新NISAの人気投信のリターンが大幅に下落した トランプ米大統領の関税政策を受けた金融市場の混乱で、個人投資家に人気の投資信託の運用成績が悪化している。 新NISA(少額投資非課税制度)の対象で、流入規模が大きい上位10本の投信は年初からの基準価格の下落率が10日時点で17%になった。 個人は投信を選択する際に、直近数年のリターンの高い投信を選ぶことが多く、24年は米テック株などを組み入れた海外投信への流入額が多かった。しかし、機関投資家の売りにのみ込まれ、個人は含み損を抱かえることになった。 個人は株安だけでなく円高の逆風も受けている。ドル建ての全世界株指数は年初来の下落率が7%。対して円建ての同指数との連動を目指すオルカンの基準価格は14%下がっている。 外国株投信の新規の購入にはブレーキがかかっている。NISAの資金流出入を見ると、4月は約1400億円。前月と比べて34%少なく、5ヶ月ぶりの低水準だった。 米国株を避ける動きも広がり始めた。米国株を除く世界株に投資する「楽天・全世界株式(除く米国)インデックスファンド」は、3月中旬まで20億円台で推移していた残高が11日には71億円になった。 長期投資家は、相場の下落局面で慌てて売却しないことが重要だ。一定額を積み立てる場合、安値で多くを購入できるチャンスでもある。一方で投資先が国や業種に偏りすぎていないか見直すきっかけにもなる 人気10投信、年初来17%下落 全世界株式(オールカントリー) 下落率 14% 流入額 2兆3548億円 NISA経由 83% 米国株式(S&P500) 下落率14% 流入額 1兆9639億円 NISA経由 83% (日経新聞4/15朝刊より)