資産を減らさずに資産取り崩し術




資産寿命伸ばす取り崩し術

運用しながら取り崩せば資産寿命延長

投資を早めに始めた人が中高年になり、運用しながら取り崩す相談が急増している。

2000万円を25年間かけて取り崩した結果を実際のデータで検証した。

まず月10万円を定額で取り崩すケース。仮に65歳から90歳にかけて取り崩すと、運用なしだと資産は約82歳で枯渇する。

では世界株で運用しながら取り崩すとどうか、成績は時期により異なるので、2025年まで時期をずらして363期間を計算した。

全期間の平均では取り崩し終了時の資産は3860万円。25年間で3000万円を取り崩したのに多くの機関で資産は増えた。

最も好成績だったのは74年10月から9年9月の25年間で、取り崩し終了時の資産は1億2870万円。

最悪期は98年8月から23年7月で、単純計算で90歳時点に2700万円のマイナスだ。

定額取り崩しは株価が低迷すると同金額でも多くの量を売る必要がある。前半にこれが起きると保有量が急減。後半に株価が上昇しても恩恵は受けにくい。


資産枯渇を防ぐには定率方式が選択肢

低迷期の大量売却を防ぐには定率方式が選択肢となる。株価の低迷期は取り崩し額が減り、資産枯渇を防ぎやすい。

2000万円を定率方式で計算するとどうか。前月末の資産を毎月約0.34%(年率4%)取り崩した場合を計算した。

最悪期だった12年7月までの25年間でも取り崩し終了時に1750万円残った。全期間の取り崩し額の平均は3300万円で、仮に65歳から取り崩すと、90歳時点の資産の平均は4720万円だった。

定率の弱点は取り崩し額が変わり、資金計画が立てづらいこと。全世界株の場合、全期間で最悪だった月は、取り崩し額が月約26000円だった。

高株価のときに多く取り崩せた金額を貯蓄し、取り崩し額が小さい時期に備えることも大切。



定期取り崩しができる金融機関が増加

金融機関の対応も進んできた。設定額を特定日に自動売却する定額方式が可能なのは楽天証券、SBI証券、SMBC日興証券など、楽天は残高の一定比率を自動売却する定率方式も可能で、SBIも年内に定率方式を追加予定だ。(日経新聞10/4朝刊より)



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